Another works Developers Blog

こんにちは！ 
Another works で AIエンジニア、データサイエンティストをやっているノブです！
今回は、弊社 <a href="https://anotherworks.co.jp/">Another works</a> と <a href="https://smarthr.co.jp/">SmartHR</a>さん、<a href="https://stmn.co.jp/">スタメン</a>さんの３社合同で 2023/9/28(木) に開催したLT×交流会 <a href="https://anotherworks.connpass.com/event/294517/">Developers Meetup 急成長ベンチャーが向き合う「開発生産性」</a> のイベントレポートをお届けします！
<h1>■ イベントの概要</h1>
Another worksでは、他社のチームの取り組みについて知りたい、他社のエンジニアと交流を持ちたいと考えている方々を対象に定期的にイベントを開催しています！
SmartHRさんとイベントを共同開催するのは三度目です。 
これまでは弊社 Anotherworks とSmartHRさんの共同開催だったのですが、今回はスタメンさんも加わり３社合同で、より豪華なイベントとなりました！ 
今回も SmartHRさんのイベントスペースをお借りしてイベントを開催しました。いつも素敵なスペースを本当にありがとうございます！
今回は「開発生産性」という初めてのテーマでまさに急成長ベンチャーが直面するテーマだっただけに、どのようなイベントになるのか楽しみでした！
19:00 の開場から受付には人がたくさんいらっしゃり、結果オフライン・オンライン合わせて 60名近い方々にご参加いただきました！ 
会場では多くの温かい拍手や熱い視線が、X（旧：Twitter）上でも #AwEngineerMeetup のハッシュタグで盛り上がり、オンライン・オフライン共に大盛況でした！
ご参加いただいた皆様ありがとうございました！！
<img src="https://storage.googleapis.com/p_6370f30cc5584de95b79f07e/f738415d-b50b-46f9-a4fb-9c3b8a020f9e/1000006155.jpg" alt="1000006155.jpg">
<h1>■ LT登壇内容</h1>
<ol>
<li>株式会社スタメン フロントエンドエンジニア　かみお 「レガシーフロントエンドをリプレイスしたら開発生産性が向上しました」</li>
<li>株式会社Another works CTO 塩原 基弘 「創業5年目、組織変化と開発生産性向上の取り組み」</li>
<li>株式会社SmartHR プロダクトエンジニアグループ マネージャー 「開発生産性、上から見るか？下から見るか？」</li>
</ol>
<h2>1.「レガシーフロントエンドをリプレイスしたら開発生産性が向上しました」</h2>
かみお 株式会社スタメン フロントエンドエンジニア / <a href="https://speakerdeck.com/kamio/regasihurontoendowo-ripureisusitara-kai-fa-sheng-chan-xing-gaxiang-shang-simasita">登壇資料</a> 
<img src="https://storage.googleapis.com/p_6370f30cc5584de95b79f07e/dd87d0bd-13bb-4afd-981d-a7e3202a2020/1000006151.jpg" alt="1000006151.jpg">
内容
<ul>
<li>以下課題を抱えていた 
　- 複数の開発環境でキャッチアップコストが高い 
　- OpenAPI がなくコミュニケーションコストが高い 
　- ディレクトリ構成に統一感がない 
　- テストがほとんどない</li>
<li>開発生産性を向上させたこと５選 
　- aspida x msw を使ったスキーマ駆動開発 
　- featureディレクトリ 
　- hygenを使ったテンプレート化 
　- コード規約でなく lint で修正 
　- README や wiki の充実</li>
<li>設計/選定したものをどのように継続させていくかを考えることが大事</li>
</ul>
ひとことレポート
ドキュメントの充実や統一感を持たせること、キャッチアップコストを下げることはまさに「急成長ベンチャー」において重要なことだなと感じました。 
オンボーディングをする側もされる側も、これは正社員・複業メンバー関係なく非常に有効的な取り組みだなと感じました！
<h2>2.「創業5年目、組織変化と開発生産性向上の取り組み」</h2>
塩原 基弘 株式会社Another works CTO / <a href="https://drive.google.com/file/d/10ic1SpiYctn1KEvqQPBYXmrdOaNScNta/view">登壇資料</a> 
<img src="https://storage.googleapis.com/p_6370f30cc5584de95b79f07e/a28340b7-41a4-49b7-bae0-4731be3eb0c3/IMG_8057.jpg" alt="IMG_8057.jpg">
内容
<ul>
<li>生産性が高い状態とは「少ないコストで大きな成果を出す」こと</li>
<li>開発プロセスと技術の改善で、開発生産性を向上させる</li>
<li>抱えていた課題 
　- リリース日が間延びし続ける 
　- プランニングの時間が長くて、疲弊する 
　　- 時間を意識しすぎて、中途半端な状態で開発に取り掛かる 
　- ユーザー価値や課題、解決方法で䛿なく、どうコーディングするかに考えが寄ってしまう 
　- 機能担当者に属人化する</li>
<li>開発プロセスの改善 
　- 要件定義会 
　- Dailyリファインメント &amp; プランニング</li>
<li>技術的な取り組み 
　- SQLを使うテストにおいて worker分、DBを立ち上げてそれぞれで通信を行う 
　- ESLint によるルールの自動化</li>
<li>まとめ 
　- プロセスの改善は組織形態や規模などで常に変わり続けるので改善し続けることが大事 
　- 技術的な改善は、投資しておくと長く効果を発揮する 
　- 生産性を向上させるのは成果を最大化するための手段である</li>
</ul>
ひとことレポート
生産性とは？という振り返りができ、改めて「生産性」という言葉の定義を理解することができました。 
特に懇親会では「要件定義会」と「Dailyリファインメント」について質問させることが多く、やはり良い取り組みだなぁと改めて実感することができました！
<h2>3.「開発生産性、上から見るか？下から見るか？」</h2>
すがわら まさのり 株式会社SmartHR プロダクトエンジニアグループ マネージャー / <a href="https://speakerdeck.com/sugamasao/development-productivity-and-cognitive-science">登壇資料</a> 
<img src="https://storage.googleapis.com/p_6370f30cc5584de95b79f07e/48a93ab5-c7ac-4dab-95dd-f114a946b769/1000006171.jpg" alt="1000006171.jpg">
内容
<ul>
<li>認知負荷が高い 
　- チーム横断のコミュニケーションコストが高くなる 
　- 一人の人間が扱える限界を超える 
　- コードを修正した時の影響調査が膨大</li>
<li>認知負荷には３種類の負荷がある</li>
<li>取り組み例 
　- 自チーム以外の PRを見る 
　- 気になるコードをリファクタリングする 
　- テックな雑談をする</li>
<li>まとめ 
　- 課題の輪郭をうまく捉えると解消方法をより適切に検討できる 
　- 課題の大きさや難易度によってボトムアップとトップダウンを使い分けると良い</li>
</ul>
ひとことレポート
認知科学の観点から「認知負荷が高い」状態への解決策を発表いただき非常に興味深かったです。 
認知負荷には３種類あり、それぞれどのように解決すべきかという切り口が大変勉強になりました！
<h1>■ 交流会</h1>
交流会は、LT登壇者と当日お越しいただいたオーディエンスの方々で行いました。 
LTの内容についての深掘りや考え、技術の話、それぞれのチームの取り組み… など様々な話題で大変盛り上がりました！ 
「明日から取り入れてみます！」と今日の学びを早速活かす宣言をしてくれている方もおり、私たちも非常に嬉しい気持ちになりました！
<img src="https://storage.googleapis.com/p_6370f30cc5584de95b79f07e/196d58d4-893e-45d9-930a-9d92f439be1d/1000006176.jpg" alt="1000006176.jpg">
<h1>■ 最後に</h1>
Another works では今後も学びと交流の場となるイベントを開催していく予定です！
Connpassでグループメンバーになっていただけると開催通知が送られますので、以下より是非グループメンバー登録をよろしくお願いします！
<a href="https://anotherworks.connpass.com/">Another works Connpass</a>
なお今回のイベントの感想など #AwEngineerMeetup のハッシュタグ付きでツイートをして盛り上げていただけると嬉しいです！
SmartHRの皆様、スタメンの皆様、ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました！！
<img src="https://storage.googleapis.com/p_6370f30cc5584de95b79f07e/19a56688-36ec-449a-a274-8e9c9e25852f/PXL_20230928_114503737.jpg" alt="PXL_20230928_114503737.jpg">

Another works × SmartHR x スタメン【Developers Meetup 急成長ベンチャーが向き合う「開発生産性」】イベントレポート

こんにちは！ 
Another works で AIエンジニア、データサイエンティストをやっているノブです！
今回は、弊社 <a href="https://anotherworks.co.jp/">Another works</a> と <a href="https://smarthr.co.jp/">SmartHR</a> さんで 2023/7/25(火) に開催したLT×交流会 <a href="https://anotherworks.connpass.com/event/288878/">顧客に価値を届けるプロダクト志向なエンジニアリング</a> のイベントレポートをお届けします！
<h1>■ イベントの概要</h1>
Another worksでは、他者のチームの取り組みについて知りたい、他社のエンジニアと交流を持ちたいと考えている方々を対象に定期的にイベントを開催しています！
SmartHRさんとオフラインでイベントを共催するのは二度目です。 
<a href="https://anotherworks.connpass.com/event/278310/">前回</a>同様、SmartHRさんのイベントスペースをお借りしてイベントを開催しました！（いつも素敵なスペースを本当にありがとうございます）
前回は「FRONT-END DEEP DIVE」とフロントエンドにフォーカスしたイベントだったのですが、今回は「エンジニアリング」とテーマを変えての開催に、どんなイベントになるのか楽しみな反面、緊張感もありました。
そんな不安を払拭するかのように 19:00 の開場から受付には人がたくさんいらっしゃり、結果オフライン・オンライン合わせて 60名を超える方にご参加いただきました！ 
会場では多くの温かい拍手や熱い視線が、X（旧：Twitter）上でも #AwEngineerMeetup のハッシュタグで盛り上がり、オンライン・オフライン共に大盛況でした！
ご参加いただいた皆様ありがとうございました！！
<img src="https://storage.googleapis.com/p_6370f30cc5584de95b79f07e/3b78addf-b92c-43d5-a99e-ac0a206163f9/F14HjMqaMAACeH-.jpeg" alt="F14HjMqaMAACeH-.jpeg">
<h1>■ LT登壇内容</h1>
<ol>
<li>株式会社SmartHR プロダクトエンジニアグループ 高倉 拓也様 「スプリントゴールと仲良くしたい」</li>
<li>株式会社Another works CTO 塩原 基弘 「エンジニアが要件定義に上手く絡むには」</li>
<li>株式会社SmartHR プロダクトエンジニア 根岸 勇弥 「ミッションから紐解く、フィーチャーチームへの意識改革」</li>
<li>株式会社Another works PdM 宮内 北斗 「エンジニアリングがどうプロダクトの企画に活きるのか」</li>
</ol>
<h2>1.「スプリントゴールと仲良くしたい」</h2>
高倉 拓也 株式会社SmartHR プロダクトエンジニアグループ / <a href="https://speakerdeck.com/tkkrtky/supurintogorutozhong-liang-kusitai">登壇資料</a> 
<img src="https://storage.googleapis.com/p_6370f30cc5584de95b79f07e/f64aecd4-4ce1-4433-ae4f-9c1470dbf9e7/part1.jpeg" alt="part1.jpeg">
内容
<ul>
<li>LeSSを導入していると各チームで触る機能が異なり共通のスプリントゴールを設定するのが難しい</li>
<li>スプリントゴールが先にあって、それをもとにプロダクトバックログアイテムを選択する方法を１チームで試してみた</li>
<li>プランニングのタイミングで顧客価値を設定</li>
<li>得られた効果
<ul>
<li>コミュニケーションや意思決定の面で恩恵を受けることができた</li>
<li>顧客の価値について考える習慣ができた</li>
</ul>
</li>
</ul>
ひとことレポート
チームの中で「共通の言葉」がある姿が、非常に良いなと感じました！ 
細かな方向性の違いも「共通の言葉」によって正せそうですね。
<h2>2.「エンジニアが要件定義に上手く絡むには」</h2>
塩原 基弘 株式会社Another works CTO / <a href="https://drive.google.com/file/d/19S2UO-8usmiqndc-Oy9bEqb4z7bJ9gBg/view?usp=sharing">登壇資料</a>
<img src="https://storage.googleapis.com/p_6370f30cc5584de95b79f07e/3e5e7293-1533-4436-b1ad-7d6d39ea3f0d/part2.jpeg" alt="part2.jpeg">
内容
<ul>
<li>「要求定義」と「要件定義」
<ul>
<li>要求定義：誰のどの課題を解決するか（What）なぜその課題を解決するのか、課題であるのか？（Why）</li>
<li>要件定義：どういう手段で解決するのか？（How）</li>
</ul>
</li>
<li>要求定義が終わった段階で、それを元に要件定義書を Pdm・デザイナー・エンジニア含め４人くらいで同期的に作成する「要件定義会」を導入してみた
<ul>
<li>エンジニアの役割：課題解決手法の立案、コストの見積もり</li>
</ul>
</li>
<li>要件定義に積極的になるにはどうすれば良いか
<ul>
<li>意見を出すのが難しい時はピンポイントで考えてみる</li>
<li>定期的にサービスを触る癖をつける</li>
</ul>
</li>
</ul>
ひとことレポート
「エンジニアのみなさん、要件定義は好きですか？」の問いから始まった本セッションでは、弊社チームの取り組みである「要件定義会」や「毎朝QA」が紹介され、改めてその開催意味を理解しながら聞いていました。 
それぞれの専門領域を活かして異なる提案が出てくる要件定義会は、施策の質・スピード共にアプローチできる良い方法だなと感じました！
<h2>3.「ミッションから紐解く、フィーチャーチームへの意識改革」</h2>
根岸 勇弥 株式会社SmartHR プロダクトエンジニア / <a href="https://speakerdeck.com/negi_andleek/mitusiyonkaraniu-jie-ku-huitiyatimuhenoyi-shi-gai-ge">登壇資料</a> 
<img src="https://storage.googleapis.com/p_6370f30cc5584de95b79f07e/eaf75e14-e925-4f02-a1e3-b7c71d1a6a7d/part3.jpeg" alt="part3.jpeg">
内容
<ul>
<li>課題：組織の拡大に伴い分業化が進み、顧客価値を中心にチームで働くのが難しい</li>
<li>顧客中心の機能を実現する、安定した長期存続することを目的としたフィーチャーチーム誕生
<ul>
<li>フィーチャーリードを通じてプロダクトエンジニアも使用について考えるようになった</li>
<li>課題解決のために、第三の案を考えられるようになった</li>
</ul>
</li>
<li>チームとして、プロダクトに責任を持つことは大事</li>
<li>チームの意識・体質を改善するには時間がかかるが、良いプロダクトを作ろうという共通認識を持っているのは悪いことではない</li>
</ul>
ひとことレポート
顧客価値に徹底したフィーチャーチームとても格好良いなと思いました！ 
こういったチームを筆頭にメンバー全員が顧客価値志向なエンジニアになった時には色んな Howが出てきて楽しみだなと感じました！
<h2>4.「エンジニアリングがどうプロダクトの企画に活きるのか」</h2>
宮内 北斗 株式会社Another works PdM / <a href="https://drive.google.com/file/d/1ZkvglS4P0x4lPAz8-XI0xOGdw85skMqi/view?usp=sharing">登壇資料</a> 
<img src="https://storage.googleapis.com/p_6370f30cc5584de95b79f07e/fcec7c8f-889b-4470-b129-f2b7f5432c3a/part4.jpeg" alt="part4.jpeg">
内容
<ul>
<li>元エンジニアが PdMをやってよかったと思ったこと
<ul>
<li>エンジニア、デザイナーとコミュニケーションが取りやすい</li>
<li>課題に対する解決策の具体性や実現性が高い</li>
</ul>
</li>
<li>エンジニアとして施策の価値向上に貢献できること
<ul>
<li>要件定義のブラッシュアップ
<ul>
<li>ユースケース漏れ許さないマン</li>
<li>そもそもマン（本当に必要か？）</li>
<li>シンプルis正義マン</li>
</ul>
</li>
</ul>
</li>
</ul>
ひとことレポート
エンジニア出身の PdM だからこそ思う、エンジニア知識があってよかったと思うこと、エンジニアに頼りたいことが聞けました！ 
個人的には「ユースケース漏れ許さないマン」を尊敬しており、目指してみようと思いました！
<h1>■ 交流会</h1>
交流会は、LT登壇者と当日お越しいただいたオーディエンスの方々で行いました。 
LTの内容についての深掘りや考え、技術の話、それぞれのチームの取り組み… など様々な話題で大変盛り上がりました！
<img src="https://storage.googleapis.com/p_6370f30cc5584de95b79f07e/498a611f-afb9-46c9-85ed-5a7f265b86f6/PXL_20230725_122252457.MP.jpg" alt="PXL_20230725_122252457.MP.jpg">
<h1>■ 最後に</h1>
Another works では今後も学びと交流の場となるイベントを開催していく予定です！
Connpassでグループメンバーになっていただけると開催通知が送られますので、以下より是非グループメンバー登録をよろしくお願いします！
<a href="https://anotherworks.connpass.com/">Another works Connpass</a>
なお今回のイベントの感想など #AwEngineerMeetup のハッシュタグ付きでツイートをして盛り上げていただけると嬉しいです！
SmartHRの皆様、ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました！！
<img src="https://storage.googleapis.com/p_6370f30cc5584de95b79f07e/d2a0f35a-c394-4c7c-99ce-44a24007e91f/PXL_20230725_114625834.MP.jpg" alt="PXL_20230725_114625834.MP.jpg">

Another works × SmartHR【顧客に価値を届けるプロダクト志向なエンジニアリング】イベントレポート

こんにちは、ノブです。
データドリブンな意思決定をよりスピーディに行うために分析工程をより速く・正確に行う方法がないかを日々試行錯誤しています。
その中の試みの一つについて記載します。
運用から３ヶ月程度経過し、効果を実感しているため、同じような悩みをお持ちの方の何かヒントになればとても嬉しく思います。
<h3>分析工程のボトルネック</h3>
分析の速度・正確性を考えた時に分析業務を以下の３つに大別しました。
<ul>
<li>
分析を計画する 
　- 明確にしたいものを定義する 
　- 分析にあたっての取得するデータを定義する 
　- どのような分析、可視化を行うかを考える
</li>
<li>
データを取得する 
　- DBの中身を把握する 
　- クエリを考える 
　- 可視化を行う
</li>
<li>
分析をする 
　- 可視化したものや情報を元に実際に分析を行う 
　- 議論できるように結果をレポーティングする
</li>
</ul>
この中で特に時間がかかっていて改善の余地が見込まれたのが「データを取得する時間」でした。
<h3>複業クラウドにおける BigQuery</h3>
複業クラウドでは、ログデータや同期したマスタテーブルを分析用に整形せずに生に近い状態で BigQuery に蓄積しており、データレイクとして活用していました。
<img src="https://storage.googleapis.com/p_6370f30cc5584de95b79f07e/1857e4dc-e5c4-49af-aa1f-e1d4f3f81dee%2Ftech_blog.001.jpeg" alt="tech_blog.001.jpeg">
上図のように分析者や BIツールはこの BigQuery を参照してデータ取得を行っていましたが、生データに近いが故に以下の課題を持っていました。
<ul>
<li>分析に不要な情報が多く存在する</li>
<li>値や構造が実装者寄りで分析者寄りではない</li>
</ul>
一つ目の「分析に不要な情報が多く存在する」についてです。 
同期したマスタテーブルでは、どの分析でも落としている情報がありました。 
例えば、求人データの公開日は重要ですが同じテーブルに存在するシステムで出し分けのために使っている値は分析では必ず落としていました。
二つ目の「値や構造が実装者寄りで分析者寄りではない」についてです。 
システムとしての良いテーブル構造が必ずしも分析にとって都合の良い構造ではないということは良くあることだと思います。 
具体的には、分析を目的とした SQL では結合や条件句が非常に多くなってしまい可読性やメンテナンス性に乏しいクエリとなっていました。
<h3>解決策</h3>
解決策として DWH（データウェアハウス）を作成することとしました。 
DWH は目的を分析に絞り、不要な情報は先に落とし、構造も分析寄りにしました。
<img src="https://storage.googleapis.com/p_6370f30cc5584de95b79f07e/c9251136-61eb-49f6-b5fd-08f57517207e%2Ftech_blog.002.jpeg" alt="tech_blog.002.jpeg">
DWH を設けることは BigQuery のビューを使うことで容易にできたので利用サービスが増えることもありませんでした。
ビューの使用方法は<a href="https://cloud.google.com/bigquery/docs/views?hl=ja#console">公式のドキュメント</a>に記載されているため割愛しますが、得られた効果を考えるとビューを用いた DWH の作成コストは非常に小さいと改めて感じています。
<h3>効果</h3>
DWHの運用は、効果を十分に感じています。
得られた効果は大きく二つあります。
<ul>
<li>クエリが簡潔になった</li>
<li>分析用の単語の定義にブレがなくなった</li>
</ul>
どちらの効果も分析のスピードをあげるだけでなく人的ミスを減らすことにも貢献してくれています。 
また、今後分析を担当するメンバーが増えた際にも全てのテーブルの関係性を説明するのではなく、目的にそった DWHを説明すれば良くなりました。
<h3>まとめ</h3>
今回は BigQuery のビューを用いて DWH を設けた話をさせていただきました。 
DWH を作成すると、今後はデータマートを作成することも容易となり、またこの話もできればと思っています。
サービスの進化に合わせて保持するデータは常に変わっていくもので、それを途切れることなく貯めていく分析基盤は非常に難しく魅力的なものですが、分析のための正しいデータ運用をこれからも模索できればと思っています。

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BigQueryのビューでDWHを作る